TADAOMIART Journal
画家とアパレル
―― TADAOMIART Style が生まれた背景** アパレルショップ TADAOMIART Style を始めて、まず伝えたいと思ったのが「なぜ画家の自分がアパレルに踏み出したのか」という理由です。 私は服飾デザイナーではありません。ずっと絵を描き続けてきた、画家です。 しかし、画家だからこそ、アパレルに挑戦する必然性があったのです。 ■ 絵は“見てもらって初めて”伝わるもの 画家は、色で想いを表現します。筆に込めた感情やエネルギーは、色としてキャンバスに現れ、人の心を惹きつける。 ただ、どれほど思いを込めて描いても――それを 見て もらわなければ、誰にも届きません。 絵を飾る場所には限りがあります。ギャラリーや展示会に来た人だけが、作品に触れることができる。 もっと自由にもっと日常的にもっと多くの人に作品を見てほしい。 そう考えたとき、「服」という綺麗なキャンバスは、アートを纏い、歩き、街を彩り、人々が楽しめる素晴らしい表現方法であるという事に気づきました。 ■絵画の“新しい表現方法” アパレルとして作品を纏えば、ひとつの“動くアートピース”になります。 色が持つエネルギーが、身につけた本人にも、目にした周りの人々にも伝わる。絵の持つ華やかさ、生命感、躍動感が、そのまま日常に溶け込む。アートが服を彩り、その服を纏う人の心まで彩る。 そんな体験を届けたいのです。 ■ 画家は“色づかい”のプロフェッショナル デザイナーと画家は、同じ「表現者」でも、作品の生み方が違います。 デザインは、目的や機能、再現性を重視したものづくり。同じものを何度でも再現できるように設計されます。 一方、アートはその瞬間、筆が動いた軌跡、偶然生まれた表情。描いている最中に生まれた“感情の揺らぎ”が、形として作品に残ります。 アートは「その瞬間を生きた唯一無二の表現」です。 画家は、何百枚もの作品を描き、色の組み合わせ、筆の勢い、質感の違いに、誰よりも敏感に向き合っています。その感覚は、そのままアパレルにも活かされます。...
画家とアパレル
画家とアパレル
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不完全な美しさ
GRIシリーズに込めた想い — “不完全”こそ、唯一無二の個性 —** 私がかつて描いた GRIシリーズ は、私自身が飼っているイタリアン・グレーハウンドの「GRI(グリ)」をモデルにした作品です。 GRIは、4年前のアクシデントで尻尾の先を脱臼し、今では 90度に曲がった尻尾 になっています。さらに、イタグレとしては珍しく 耳がピンと立つのも大きな特徴です。 誰が見ても “普通のイタグレ” とは少し違う。でも私は、その“違い”こそがGRIの魅力だと感じました。 ■ 個性として受け止め、アートに昇華した 曲がった尻尾も、立ち上がった耳も、GRIにとってはそれが「当たり前の姿」で、何よりGRI自身がとても愛嬌にあふれ、出会う人みんなから愛される存在です。 私は、その愛くるしいキャラクターを「もっと多くの人に届けたい」「不完全さの美しさを表現したい」そんな想いでキャンバスに描きました。 こうして生まれたのが GRIシリーズ です。“欠けている部分”ではなく、“唯一の魅力”として捉えた作品群です。 ■ 不完全だからこそ、輝く 世の中には、完璧に見えるものがたくさんあります。でも本当に心を惹かれるのは、少し歪だったり、他とは違ったり、“その人だけの形”を持っているものだと思います。 不完全なところこそ、その人の個性となり、輝く。人と同じではつまらない。 GRIがそうであったように、誰もが自分の個性を見つけ、伸ばしていけたら——そんな願いをこの作品には込めています。 ■ 最後に アートは、ただ美しいだけのものではなく、誰かの心にそっと寄り添い、新しい視点や勇気をくれるものでもあります。 GRIシリーズが、“完璧じゃなくてもいい”“そのままで魅力がある”という小さな光となれば嬉しいです。...
不完全な美しさ
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SHOPへの想い
— 画家がアパレルショップを開くということ —
絵を描くという行為は、私にとって「色で世界を温めること」に近い感覚があります。キャンバスの前に立ち、色を重ねていく時間は、自分自身と向き合いながらも、まだ見ぬ誰かの日常に小さな光を灯せるような——そんな祈りにも似ています。
そしてその想いを、もっと自由な形で、もっと多くの人の日常に届けたい。その気持ちから生まれたのが TADAOMIART Style です。
■ 画家がアパレルショップを開く理由
「アートは美術館やギャラリーだけではなく、毎日のライフスタイルの中で“着るように”楽しめるものだ」と私は思っています。
アパレルという形は、絵を“作品”として鑑賞する以外にも、
身につけることで自分のスタイルの一部になる。気分を上げる小さなきっかけになる。自分らしさを表現する手段になる。
そんな可能性を秘めています。
絵画と違い、生地や縫製、クラフト感と向き合うプロセスは新鮮で、そこに私の色や線が載った瞬間、新しい命が吹き込まれるようなワクワクを感じます。
■ “身にまとうアート”で日常を彩る
私の絵を好きでいてくれる方が、
「今日はこの色を身につけたい」「このデザインが、今の自分を後押ししてくれる」そんなふうに感じてもらえるとしたら、それは画家として本当に幸せなことです。
作品を“飾るアート”から“着て楽しむアート”へ。TADAOMIART Style はその入口であり、アートが日常に溶け込む新しい体験をつくりたいという願いの結晶でもあります。
■ 最後に
絵を描くことと、アパレルをつくること。一見違うようで、その本質は「誰かの心を豊かにしたい」という同じ想いから生まれています。
このショップが、あなたの日常に小さな彩りとインスピレーションを届けられたら嬉しいです。これからも、TADAOMIART Style をどうぞよろしくお願い致します。
SHOPへの想い
SHOPへの想い
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